迷い猫の探し方情報


猫探し体験記


エリザベスカラーのまま失踪事件(捜索期間3日)


・出会いから一緒に暮らし始めるまで


それは、3年前のこと。近所でよくみかけるトラ猫に、
私たち夫婦はいつからかこっそり餌をやるようになりました。
とても人懐こくて、おしゃべりで、
とにかくかわいいこの猫にいつしか夢中になり、
「保護したい、一緒に暮らしたい。
でもうちのマンションペット禁止だし…」と悩むようになりました。
同じように、餌を毎日あげている猫好きのTさんと仲良しになりました。
そのTさんから「この猫を保健所に連れていくと言っている人がいる」
という衝撃的な情報を耳にしたのです。
ペット禁止マンションでしたが、
この緊急事態にすぐに保護することを決意しました。
去勢手術をしないまま急遽飼いはじめたので、結果部屋は荒れ放題。
(大家さん、本当にすみません)
新居を探したのですが「猫可」物件はなかなか見つかりませんでした。
半年後、とうとう飼っていることが大家さんにバレて、退去を迫られました。
そのときちょうど偶然、近所の一戸建て賃貸が猫可になったのです。
急いで引越しの手続きをし、引越しをしている最中は猫を動物病院に預けて
去勢手術を行いました。
無事引越しを終えて猫を病院から引き取って3日目。
猫失踪事件は起きたのです。猫はエリザベスカラーをつけたままでした。


・去勢手術直後の失踪事件

やっと引越しが終わり、去勢手術を終えた猫を病院から引き取って3日目。
まだ猫は、傷口をなめないようエリサベスカラーをつけていたので、
左右が見えず慣れない新居を歩き辛そうに過ごしていました。
そのまだ傷口が癒えない状態で、猫は失踪してしまったのです。
病院に連れていく途中でした。完全に飼い主の不注意です。
エリザベスカラーをつけたまま物凄い勢いで走り去った猫。
環境が変化するのを最も恐れる猫にとって、引越し〜手術〜外出と続き、
パニックを起こしてしまったのだと思われます。
それから朝も昼も夜も、ずっと猫を探す日々。夜も眠れない状態でした。
新居は前住んでいたマンションの近くだったので、のら猫時代に
餌をやってくださったTさんやSさんも一緒に探してくれました。
半年も会っていない猫のことを心配し
必死になって探してくれるおふたりには
感謝すると同時に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

・「絶対に元気で帰ってくる」と信じて

捜索中は心配で心配で仕方がありませんでした。
逃がしてしまった場所は、のら猫時代のテリトリーでしたが、
私たちに飼われてから半年の月日が流れていました。
かつての自分のテリトリーでも、きっと今は他の猫のテリトリー。
場所の記憶もさだかでないかもしれない。
何よりもエリザベスカラーをつけたままの失踪。
どんなに不自由な思いをしていることでしょう。
病院に連絡して「エリザベスカラーは取れることがありますか」と聞いたら
「取れない構造になっています」との答えが…。
脳裏に浮かんだのはエリザベスカラーをつけたまま、町を歩く猫の姿。
最悪のシーンも思い浮かびました。
でも、私は信じていました。我が猫の生命力の強さを。
私達と猫が出会い、一緒に暮らすようになったのは運命。
絶対に縁と絆は強く結ばれているものだと信じて捜し続けたのです。

・朝も昼も夜も必死に探す

写真入りのビラを作り、手術した病院や近くの店舗に
貼ってくれるようお願いし、
各家庭にポスティングしました。
家出猫の掲示板に書き込みをし、
友人MさんにもSNSで呼びかけてもらいました。
捜す範囲は失踪現場から半径約500メートル。
捜索のために自転車も購入しました。
それでも見つかりません。見かけるのは他ののら猫ばかりでした。
我が猫の姿は、影もかたちも見つからなかったのです。

・涙の再会、抱きしめる

そして3日目の夕方。近所の駐車場を探していると、
ケンカする猫の鳴き声を耳にしたのです。
「ウォーーーーーーーッ」
私と主人は、あわてて声のする駐車場へと走って行きました。
そこに猫はいたのです!のら猫とケンカしている真っ最中でした。
エリザベスカラーは奇跡的に外れていました。
主人が猫を抱きしめると、私は人目をはばからず号泣してしまいました。
すぐにTさんとSさんに連絡すると、心から喜んでくれました。
ふたりをまだ荷解きしていないダンボールだらけの
我が家にお招きし、猫と半年ぶりの再会も果たしました。
その日の夜は、家族三人でいることの
幸せをかみしめながら眠りました。
居なくなってさらに、猫はかけがえのない
家族であることを再確認したのです。

・「エリザベスカラーのまま失踪事件」を振り返って

この文章は、失踪から無事保護してすぐに書いたものに加筆しました。
あれから2年の月日が流れて、
あらためて当時の文章を読んで驚きました。
たった3日の捜索だったことに驚いたのです。
私たちは1週間か10日だと思っていたのです。
それだけ長く不安な日々だったのですね。
そして、3日目で保護できたのは
奇跡的なことだったと今では思います。
発見したのが駐車場で、ケンカの最中だったから
簡単に捕まえることができたのです。
なぜなら、失踪した猫はビクビクして
警戒心が強いので飼い主の手で
捕まえることは非常に困難なのです。
それは再び起きてしまった失踪事件で痛感したことでした。


●傷だらけで帰ってきた猫〜家出編〜

密閉性の高いマンションでは一度の家出もなかったのですが、
一戸建てに越してからは何度か家出されてしまいました。
でも大抵の場合、窓際に大好物のかつおぶしを置いておけば
匂いにつられて15分くらいで帰ってきたものです。
しかし、猫の性格を変えてしまうほどに
大変な家出が一度だけありました。
我が家には天井近くの高いところ窓があり、
周辺に物も置いていないので、
開け放していても猫はそこからは逃げられないと思っていました。
実際、逃げなかったのです。ただ一度を除いては。
うっかりその窓を開け放したまま外出してしまった私達は、
帰って猫がいないことに気づき青ざめました。
外出は3時間あまり。
いつものように窓際にかつおぶしを置いてから、
夫婦交代で近所を捜しました。
幸い、すぐに自分から帰って来たんです。
ただいつもと違うのは傷だらけだったこと。
小さな顔面にはいたるところに傷があり血を流し、
首にも深い傷がありました。
前足にも擦りむいたような傷がありました。
弱い猫はすぐに逃げるので後背部に傷があるといいますが、
我が猫の場合は前面にしか傷がありませんでした。
すぐに薬を塗って餌を与えたのですが、あまり食べません。
そして、それっきり押入れにこもってしまったのです。
幸い傷はほとんど次の日には治っていたのですが、
身体の傷より深かったのが心の傷。
おそらくはじめてケンカに負けたのでしょう。
元・野良のボス猫としてのプライドがズタズタになったのです。
自分が去勢して力が弱くなったことなど知るよしもない。
爪を切られて猫パンチ能力が低下したことも自覚していない。
それなのに自分は未だボス猫だと信じて立ち向かったのです。
私ははじめて落ち込む動物を目の当たりにしました。
目の光を失い、ひたすらに引きこもり続ける猫。
無理矢理押入れから引きずり出してご飯を食べさせました。
どこか具合が悪いのかと思いましたが、
熱もなければ尿・糞にも異常はありません。
やはり心のダメージで引きこもっているとしか思えませんでした。
私たちは馬鹿みたいですが、猫を言葉ではげまし続けました。
ある日私が台所で夕食の支度をしていると、
いつの間にか足元に猫がいて、にゃあと小さく鳴きました。
思わず嬉しくて抱きしめてしまいました。
自分から押入れに出てきて餌をねだるまで実に1週間。
やっと元気を取り戻しましたが、自分の家の庭に猫が現れても、
跳んで逃げるような性格の猫に変わりました。


●21日間怒涛の猫捜索事件

・また猫を逃がしてしまうなんて!


「エリザベスカラーのまま失踪事件」から2年。
またも近所で猫を逃してしまったバカ飼い主。
今度はハーネスをつけて近所を歩いていたのですが、
ハーネスは胴体をがっしりホールドする
タイプだったのにもかかわらず、するりと抜けて
全力疾走で逃げて行きました。
家に帰りつくまであと数百メートルというところでの失踪。
人間にとってはたったの数百メートルでも、
猫にとってはテリトリー外の未知の世界。
長い長い失踪事件のはじまりでした。

・猫捜索作戦を練る〜失敗を繰り返す

まず、動物愛護センターや猫捜索掲示板などに書き込み、
ネットで情報収集しながら捜索しました。
そのとき「猫探偵」という
失踪した猫を探す職業があるということをはじめて知りました。
猫探偵のブログによると、
猫は22時〜早朝3時までが最も活動するので、
その時間帯に探すのが有効だと書いてありました。
仕事を終えたあと睡眠時間を削り
この時間帯に集中して探すことにしました。
この作戦は後で失敗だったことに気づきます。
そしてもうひとつ、私たちは重大な失敗をしてしまいます。
それは、この時点で「猫を探しています」という
内容のビラを近所にまかなかったことです。
前回の失踪のときは、捜索2日目にビラをまき
3日目につかまえることができたので、
ご近所の方の情報は一件も寄せられることはありませんでした。
今回の失踪も自分たちの手でつかまえられると勘違いしてしまい、
さらにチラシではなくツイッターやサイトの
掲示板など「情報収集の最先端武器」のほうを使用したのです。
(もちろんこのやり方も有益な場合があるので、チラシと併用すべきです)
このふたつの間違いが猫捜索を長引かせてしまったのです。

・5日目の発見、深夜の暗闇のなか取り逃がす

仕事に家事に猫探しにと、多少の疲れは出始めていたものの、
「もうすぐつかまえられる」「つかまえて一緒に家に帰る」と
信じて捜索を続け5日目の夜。
それは深夜2時のことでした。
名前を呼びなから探していたところ、「にゃーん」という
返事が聞こえてきたのです!
もう一度名前を呼びました。
「にゃーん」間違いなく私たちの猫の声です!!
それはなんと、知らないお宅の石垣の向こう。
(取り逃がした場所からさらに100メートルほど遠ざかっていました)
背伸びをして中をのぞいてみると、
暗い庭のなかに小さくてまるい猫のシルエットが!!
どうしようかと悩んでいるうちに、庭を飛び出し逃げてしまったのです。
暗闇のなか見た後姿は、間違いなくわが愛する猫でした。

・アニマルキャッチャーを手に入れる

ネットで猫捜索の方法を情報収集していたら、
「アニマルキャッチャー」というものが
あるということがわかりました。大きな籠に餌をしかけ、
動物が餌を食べると入り口が閉まる
というものです。これは猫探偵ならほとんどの人が
使用しているとのことでした。
動物病院や動物愛護のボランティア団体が
レンタルしてるとの情報があり、
さっそく猫探偵の方から1台無料で
貸していただきました(ありがとうごさいます!)
しかし、問題は設置場所です。
5日目に発見したあのお宅の庭に置かせていただくのが
一番有効だと思いましたが、
そうなると毎日そのお宅の庭にお邪魔することになり、
迷惑をかけてしまいます。
それはあきらめて、そのお宅の庭にはいれず
石垣の横に許可をとっておかせていただきました。
もう一台、楽天市場で格安で購入し、
二台体制で待ち構えることにしました。

・10日目の発見〜再び取り逃がす〜

猫の失踪から10日目。それまで仕掛けた
アニマルキャッチャーに入ったのはのら猫一匹。
いつものように深夜に猫探しをしていたら、愛猫らしき姿を発見。
しかし、暗くてよく見えず。追いかけるとすばやく逃げたので、
いまだにあれが我が猫だったのかはわかりません。
場所は5日目発見したところのすぐ近くでした。
その後猫探偵の方からアドバイスされたのですが、
猫は見つけても追いかけてはいけないそうです。
その場にしゃがみこみ、名前を呼びながら
猫缶をあけたりして呼び寄せるのが基本で、
猫から近づいてくるのを待たなければ、
逃げぐせがついてしまうのだそうです。
……それは、かなりの精神修行です。
家でさえ「呼ばれてもこない」のが猫の性質。
とにかく猫探しには根気と忍耐力が必要不可欠なのです。

・精神的にまいりそうになる〜長くて辛い日々

捜索も10日目を過ぎると、
さすがに気力・体力的にも辛いものがありました。
3月半ばの寒暖の差が激しい気候のなか、
探し続けることの大変さ。
その頃ちょうど仕事が忙しく、
睡眠時間も短くなり疲労が重なるばかり。
動物愛護センターに保護されてはいないかと
毎日ホームページを見ていたのですが、
そこに掲載されているのは
病気の猫や交通事故の猫…写真を見ると胸がしめつけられました。
何日後かに「死亡」と書かれてあったりすると…
もうかなしくてかなしくて。
明け方突然涙があふれだし止らなかったこともあります。
うちの猫も外で事故にあってやしないか…
他の猫にいじめられているのでは…
想像をしては心配ばかりしていたものです。
自分の精神的な限界を感じ、3時間だけ、
仕事も捜索も休んで日帰り温泉に
行ったりして心身を建て直したこともありました。
この頃私を支えていたのは「きっと大丈夫」
「必ず連れて帰る」という気持ちだけです。
猫の生命力と絆と縁の強さをなぜか私は信じて疑わなかったのです。

・猫の姿が見当たらない。ますます高まる不安。

最後の目撃から何日間も、猫は姿を現しませんでした。
まったく気配がなくなり、不安は増すばかり。
捜査範囲を広げてみましたが、まったく見つかりませんでした。
捜査はもはや日課となり、時間がある限り近所を歩きつづけました。
ちょうどその頃、近所でひったくり事件が多発しており、
警察が深夜パトロールしていました。
毎晩早朝まで歩き回る私たちはさぞかし
不気味な存在だったでしょう。
私は女性なので近所の方から「猫を探しているんですか?」と声を
かけられることもありましたが、主人は不審者と思われたのか、
男の人に追いかけられたこともあったそうです。
こういう時のためにもチラシは早くまいておき、
常に持参しておくべきなのです。
最後の目撃場所に、
近所のボス野良猫をよく見るようになりました。
もしかしたらうちの猫は、
このボス猫に追われて別の場所にいるかもしれない…
でも一体どこに?

・ようやくチラシをまきはじめる

とにかく見つからないので、捜索網を広げてみることにしました。
去勢猫の行動範囲を調べてみると半径200m以上
いなくなった地点からさらに西へ捜索網を広げて探すことにしたのです。
なぜ西かというと、南側には交通量の多い道路があるので、
そこを越えてはいないだろうという判断からでした。
しかし、捜索網を広げても猫の姿はしっぽの先ほども見つからない。
顔見知りののら猫が増えただけでした。
この頃、ようやくチラシを作りまきはじめました。
この後、チラシというアナログな媒体の力を知らされることになります。

・5日目発見現場のお宅へ伺う

私たちが唯一猫の姿をはっきりと見た失踪5日目の現場。
そのお宅へようやく伺いました。
先にチラシを投函しておいたので、
事情をわかってくださり、
「お宅の庭から猫が飛び出したのを見ました」と言うと、
なんと、家の周りを一緒に探してくださったのです。
そのお宅には玄関横と奥に大きな庭があり、
倉庫もありました。そのすべてを見せてくださったのです。
猫はいませんでしたが、親切さが心にしみました。
その後あらためてお菓子を持参しお礼に伺いました。

・チラシを見た人から有力情報

チラシには「目撃情報など些細なことでも
結構ですのでお知らせください」
と書きました。捕まえて保護してくださっている方がいたら
それはそれは有難いことですが、ごく稀なことだとわかっていました。
とにかくどこにいるのか、
どの辺にいるのかだけでも知りたかったのです。
チラシをまきはじめて2日目、目撃情報が寄せられました。
一件目は「10日くらい前に会社の駐車場で餌をあげた」という
女性の情報でした。
車の上にちょこんと猫が寝ていて、その女性を見ると近づいて
足元にスリスリしてきたのだそうです。
それはまさに、うちの猫がのら猫時代にやっていたこと。
「間違いない」と思いました。
その方は猫好きの方で、常に餌を携帯しているのですぐに
与えてくださったとのことでした。
本当にありがたい。こういう親切な方がいらっしゃったから、
うちの猫は生きのびることができたのです。
肝心の場所は、なんと5日目に発見したお宅の隣。
毎日毎日何度も何度も、名前を叫んでは探している場所でした。
10日目の深夜に見た猫もやはりうちの猫だったかもしれません。
そして次の日「たった今この猫を見た」という方から
電話があったのです。

・20日ぶりに見る姿に涙

「たった今猫を見た」というその方は、
車で評判のそば屋ーへ出かけ、
駐車場に停めるときに猫と会ったということでした。
そば家に行くと、「猫を捜しています」というチラシを発見、
驚いて電話してくれたとのことでした。
その方もやはり猫を飼われている方だったので、
チラシと同じ猫だとひとめでわかったそうです。
胸の高まりを抑えつつ、その駐車場に行くと猫の姿はありませんでした。
「でもこの近くにいるんだ」と思うと、
はやる気持ちを抑えることができません。
名前を呼びながら今まで以上に必死に叫びました。
3時間くらい探していると…
別の駐車場に歩く我が愛猫の姿を発見!!
名前を呼ぶとじっとこちらを見ています。
ゆっくりゆっくり近づくとサッと逃げる猫。
私たちは逃げた方向へと走りました。

・腕まで掴んで取り逃がし号泣

駐車場の車の下に我が猫はいました。
すっかり痩せ細りふたまわり小さくなった猫を見ると
涙が止まりませんでした。
しかし泣いている場合ではありません。家に連れて帰らなければ。
しゃがみこんで猫目線になり、名前を呼びました。
「お願い。来て。一緒に帰ろう」気持ちをこめて呼びました。
駐車場なので、車は往来し人も行き来するので、
なかなか警戒心をほどいてはくれず、近づいてきません。
餌をなげ、かつおぶしをまき、呼び続けました。
以前失敗しているので、自ら近寄ることはしませんでした。
餌の匂いにつられて他の猫が寄ってくるので
ますます気が散る我が猫。
それでもよその猫とケンカするわけでもなく、
お腹がすいているはずなのに餌もあまり食べようとしません。
よほど外の世界で緊張しているのでしょう。
ここまで来たら忍耐力の勝負です。
ひたすら名前を呼び、来るのを待ち続けました。
すると、ゆっくりと近づいてきて、大きく伸びをしたのです。
猫がリラックスしたときに見せる仕草です。
泣きながら「おいで」と名前を優しく呼ぶと、
さらにゆっくりゆっくり近づいてきました。
「頭をなでて」と私に指示をする主人。
しかし私ははやる気持ちを抑えきれずに、
腕をつかんでしまいました。
その瞬間「やった!つかまえた!」と思いました。
しかし、猫はするりと私の手を抜け、走り去ったのです。
アスファルトの上で突っ伏し、泣き叫ぶわたし。
かつおぶしが空に舞い上がってゆきました。

・ついに捕まえる…涙、涙また涙

くやしかった。辛かった。哀しかった。
のら猫時代にかわいがってくれていたTさんには、
今回の失踪事件のことは言わないでおいたのですが、
取り逃がしてへこんでしまい、メールで知らせました。
Tさんは驚いて夜中にもかかわらず「私も探す」と言って、
懐中電灯持参で駆けつけてくれました。
Tさんと話していると気持ちも晴れてきて、
いくぶん元気を取り戻し猫を捜すことができました。
その夜、我が猫らしき姿を見たことは見たのですが、
暗闇の中をすばやく走って行ったので確認できませんでした。
深夜3時ころまで探し、アニマルキャッチャーを
取り逃がした駐車場に一台置いて、帰宅しました。
そして次の日の朝、いつものように主人がアニマルキャッチャーを
引き取りに行きました。自宅で家事をしながら待つ私に、
主人から電話がかかってきたのです。
「猫、いたよ。今から連れて帰るから」
待ちきれずに家から飛び出すと、
主人の姿が見えました。アニマルキャッチャーの中には猫の姿が!
私は、近所の人の目もはばからず、うれしくてまた号泣。
感激の再会、そして21日間にもおよぶ
長い長い猫捜索は幕を閉じました。

・みなさんにお礼を

猫のチラシを貼ってくだった不動産屋さん、おそばやさん、
目撃情報を寄せてくださったおふたり、
アニマルキャッチャーを貸してくださった猫探偵の方、
5日目に猫が庭にいたお宅など、
ご協力いただいた皆さんにお礼行脚をしました。
皆さん、我がことのように大喜びしてくださいました。
ほとんどの方が薄謝さえも受け取ってはくれず、
「猫が見つかればそれで十分」と言ってくださいました。
人の恩、そして猫好きの方のあたたかさが身にしみました。

・21日間怒涛の猫捜索事件を振り返って

バカ飼い主の私たちがしでかした事とはいえ…
いやあ、本当に大変でした。
気力・体力ともに消耗して、
猫が戻ってきた日にはその幸せが現実の事とは
思えなかったほどです。今も探した道を通るとあの日々を思い出します。
猫が捕まった駐車場は、奇しくも「エリザベスカラーのまま失踪事件」で
捕まえた場所と同じだったのです。
猫は自分にとって居心地の良い場所を本能的に探し出し住み着くという
習性があるということは前からわかっていましたが、
この時あらためて思い知らされたものです。
そのほかにも、いろいろとわかったことがあります。
飼い主の皆さんが私のように辛い思いをしないように、
この経験を生かして情報提供をしたいなと考えるにいたりました。

そして…我が家の猫は今、とっても元気です!
迷い猫の探し方を読んでくださりありがとうございました。




★どうかあなたが一刻も早く猫ちゃんと再会できますように★


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